杉並 税理士を狙う
1973年の金輸入自由化後、最高だった2008年の ・45トンを上回る勢いこれも、賢明な「ミセス・ワタナベ」の判断であろう。
ミセス・ワタナベとは、すでに説明したように、「渡辺夫人」「キモノ夫人」と呼称はいろいろと、1200ドルを割り込む3日間の急落相場が生じた。
米ドル指数に上方屈曲点の警告サインが点滅すると、金は一時的な調整相場を展開する習性があるため、金の反発相場を予測。
1166ドルの底値を割り込むか、1166ドルを試すまで下降するかもしれないが、1200ドル割れの水準では、中国、インドなどから買いが入るため、金価格の下値は切り上がっている。
長期的展望では、これから7ヵ月間で2100ドル水準まで上昇する。
金現物が品薄であることは事実である。
わたしの所有する金鉱山(米ネバダ州)から掘り出される金現物を、「数十億円単位で買いたい」といってくるアメリカの著名投資家もいるほどだ。
金現物が足りない最大の理由は、中国などの景気のいい新興国が大幅に買い越しているからである。
中国は17年間で650トンも買い越し、金準備はすでに1050トンまで増やしてきたロシア、インド、サウジアラビア、シンガポールの4ヵ国で計749トンの買い越し。
欧米でも、ギリシャ危機、ユーロ危機、ソブリンリスクによるリスクの高い国ほど金が買われている。
金準備総額ベースで世界第8位(IMFを含む)、国家ベースではスイスに続くが、1桁違う765トンにとどまっている。
2000年以来の流出と流入推移で見るとたった・7トンの流入超過である。
外省(準備を順調に増やし続けている国としては、この量は極端に少ない。
金準備高の外貨準備総額に占める比率も、2.8パーセントと中国に次いで低水準である。
道理で、まだ日本で本格的な金ブームが来ていないことがわかる。
すなわち、投資商品としての金のニーズがまだ日本に来ていないということだ。
ユーロの暴落や、革命前夜の中国や、金融破綻のアメリカなどは、目前に危機が見え始めている。
この危機を見ることが、投資商品・金を増大させてきた。
17年前に銀行破綻し、ゼロ金利にまで下落した日本には、もう見える危機は消えてしまった。
その代わりに小泉劇場や小嶋政治のショーがテレビの前の大衆を楽しませ、深刻な経済危機といっても、金を必要とするほどの危機には遭遇していない唯一の国家が日本である。
ミセス・ワタナベは、1ヵ月に17万円儲けるというような、小金を儲ける趣味17な投資家であり、危機に遭遇した投資環境に達していないことが、日本からの金流出や金ブームがいまだ訪れある。
金ブームがまだ来ていないというよりも、「投資商品としての金」についての理解がほとんどなされていないのではなかろうか。
逆にいえば、世界最高の個人金融資産を持つミセス・ワタナベが本気になって金に向かえば、金価格は、とんでもないレベルにまで上昇する、ということでる。
それより気がかりなことは、やはり、ここ1〜2年、日本の金収支が入超ではなく出超になっていることだろう。
このまま推移すると、年末には過去3年間の入超を消しかねないほどである。
世界にはパニックのボタンが押され、日常生活の中で金の地位は上昇している。
「永遠の通貨」は、世界がパニックの中で上昇し、これからもパニック拡大のスピードに合わせて上昇していくことになる。
ポイントは、日本におけるパニックが再び起きるか否かという点にかかっているのではないか。
次に、金融資産との比較で見てみよう。
マネーサプライの代表的指標M2で考えると、1980年1月の金価格に到達するには、3912ドルまで上昇しなければならないことがわかる。
明らかに過去のマネーサプライの伸び率が高すぎた。
となれば、アメリカ経済もマネーサプライの縮小、物価水準の下落デフレを経験せず、成長軌道に戻ることはむずかしいのではなかろうか。
1986年のピーク時には、年間600トンもの金地金が日本に流入していた。
l995年前後を境に、毎年100トン未満の小さな流入星里にとどまり、ついに2006年からは流この金流出入量の推移と、日本国内の金1グラムあたりの価格推移とを比較検証すると、ミセス・ワタナベの投資スタンスが浮き彫りになってくる。
ミセス・ワタナベが史上最大の金買い越しを演じた1986年。
金の年間平均価格は、2000円を少し上回る水準だった。
「そろそろ底値だ」と判断−して、大量買い越しとなったのだろう。
だが残念なことに、その後は円高基調が定着してしまって、金価格は長らく1000円台で推移するのである。
それどころか、1999〜2000年には、1OOO円(月間平均価格)を割り込むケースまであり、1999年9月には962円(同)という底値をつけるほどだった。
こうして17年間にわたって低迷を続けた金価格が、1986年の年間平均価格2044円を上回ったのは2006年に2287円をつけたときのことである。
2007年以降は、年間平均価格が上昇するにつれて金の対外流出高も増える、という関係が定着している。
つまり、1980年代の金ブームで高値掴みをしてしまったミセス・ワタナベは、金価格上昇を期待し、少なくとも買値を上回る金額で売却できるまで17年間、待ち続けていたのである。
当時、2000円前後で買い込んだ金は、いまなら3500円前後で売れる。
両パーセントもの利が乗っているのだ。
1980年代の後半こそバブル景気でインフレ率も高かったが、その後は、物価は横ばいかマイナスだったから、実質ベースで考えても、たんまり利益が出ているはずで「17年もかけて、そんな利回りでは効率がいいとはいえない」と、機関投資家は顔でいう。
日経平均株価と金先物の相関性を見ると、2009年2月(リーマンショックの暴落を引きずり、本格的な中間反騰が始まる前月)は相関性がマイナス0.94。
すなわち、完全な逆相関である。
株価が下がると金価格は上昇する、という関係である。
金価格とアメリカの景気を超長期で傭撤すると、アメリカ合衆国の政治経済が隆盛に向かうと金価格は低迷し、アメリカの政治経済が低迷したり混乱したりすると金価格は上昇に転じている。
明白な相関関係である。
アメリカの景気がいいと金価格は低迷していて、アメリカが戦争で混乱したり、不況で経済が収縮したりすると金価格が高騰するというシンプルな法則性があるのだ。
けれども、それでは自分はどうなのか?わずか1年で17パーセントも元本を段損しておいて、ミセス・ワタナベを批判できるのか。
開いた口がふさがらないとはこのことだ。
金という商品は、2つの性格を持っている。
1つは、「資源の中の王者」であるということ。
金は代表的資源である。
もう1つは、「無国籍」であるということ。
金は国籍を持っていない通貨なのだ。
世界中どこに行っても、地金を見ればどれくらいの含有率かを判別できる専門家がいる。
その専門家が重さや含有率をはかって、確実に換金してくれる。
こういう通貨は、ほかにはない。
円、ドル、ポンドがマネーとして機能するのも、政府、中央銀行の信用があればこそある。
「この紙切れは、マネーとして通用する」と、世界の中央銀行が裏書きしているから流通しているにすぎない。
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